■「白神山地で始まったエコツーリズムと地域の共生」

「白神山地の懐に抱かれて」

第四話「白神山地で始まったエコツーリズムと地域の共生」

 

 白神山地における自然保護運動は、青秋林道建設反対当時は、行政の工事に対する反対運動が、自然保護運動という事でした。
 当時、白神山地の広葉樹の森で展開された。この運動は、見事林道建設を止め、全国の自然保護運動の象徴とされました。
 しかし、あれから12年、今白神山地で展開されている自然保護の運動は、ブナの森の復元・再生事業が主流となりました。今、白神山地ではNPOの白神山地を守る会が、津軽森林管理署・青森県・鯵ヶ沢町・民間事業所・学校関係等とパートナーを組んで実施している「白神山地植樹フェスタin赤石川実行委員会」が実施している植樹祭にはじまり、津軽森林管理署・日本山岳会・赤石川を守る会等々の団体が白神山地の中の、伐採された森での広葉樹の植林活動を展開しています。特に、白神山地を守る会は、森林ボランティアが中心となり、一昔は、林道建設の反対運動や、林業で生計を立てていた人たちと協働で、ブナの種を拾い、苗床をつくりこの植林事業を支えている。
 2006年の植樹祭には環境省江田康幸副大臣・南川秀樹自然環境局長らが、地球温暖化防止の観点から、津軽沢林道で毎年開かれている白神山地植樹フェスタin赤石川実行委員会主催の植樹祭に参加した。「森林・林業基本計画」では、国内の森林約2,500万haのうち7割(1,750万ha)を施業の対象(育成林、保安林等)としているので、これを2010年の吸収量算定対象森林とすると、育成林の全体約1160万haに適切な森林整備と保全をおこなう。
 天然成林約1350万haのうち、保安林、自然公園等の約590万haに適切な保全・管理をおこなうことにより、平成10〜12年の森林整備実績では、育成林約820万ha、天然生林約590万haにとどまる ことになると、育成林への吸収・固定量は約1450万炭素トンで天然生林への吸収・固定量は約530万炭素トンとなる。また、伐採により放出として計算される木材供給量約1010万炭素トンとすると、差し引き約970万炭素トンが森林吸収となるが果たして、予想通りの効果がでるのか疑問である。
 私たちの運動もこういう地球規模の環境保全と、白神山地を訪れる人たちの、自然保護への参加を呼びかけた観光を目指すという形で、そのつなぎ役を地元の人達が誘うという形をモデルが始まったばかりである。


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白神自然学校一ツ森校 代表理事 永井雄人
 
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